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分かりにくい住宅の価格

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分かりにくい住宅の価格

車の見積もりとどう違う?

車の見積書をご覧になった事がありますか?

見積書には車両本体価格以外にオプション費用や重量税、自賠責保険、車庫証明費用等々、本体以外に様々な費用がかかり、思っていたより予算がオーバーしてしまった、なんて事もよくあります。

住宅も同じです。しかし、車よりももっと複雑です。

住宅も車と同じように、本体価格、オプション、付帯工事、税金や諸費用等があります。「なんだ、同じじゃないか」と思われるかもしれませんが、これが全然違います。

「本体工事」

同じシリーズの商品であっても間取りや大きさによって当然金額が違います。窓一つ変えるだけで金額が動きます。間取りが変われば壁や屋根、基礎の量が変わり、室内でも床・壁・天井の面積が変わります。窓の大きさ、形でも金額が違いますし、オプションとも被りますが、キッチンのグレード、形、食洗機の有無等、浴室・洗面所・トイレ等々、何種類もの中から選び、またそのオプションも選んでいくので、一つとして同じ建物にはならない、と言っても過言ではないかと思います。住宅はとにかく部材が多いのです。

もちろん、メーカー側も部材を三種類くらいに絞ったり、そもそも安く抑えるために一種類だけに絞って色だけ選ばせたりして工夫します。しかし、大きさ、形、部材等々、車と違って出来上がったものを売るわけではないので、本体価格一つとってもバシッと決まった金額というものがありません。

オプションにしても、例えば樋(とい)を変更しようという時には、m単価に実際の樋の長さを掛けて金額を出すため、計算しないと見積もりがでない、という事になります。床材にしても、壁紙にしても同じです。

付帯工事

付帯工事には屋外給排水工事、外構工事、解体工事、地盤改良工事等があります。

まずは屋外給排水工事

これは建物の外側の給排水工事です。キッチンやお風呂・洗面所、トイレなどから建物の外に延びた給水管、排水管を上水、下水につなぐ工事です。

これは建物の間取り、配置、敷地形状、排水マスや止水栓の位置、有無により、金額が変わります。特に排水マスや止水栓が敷地内にない場合、道路を掘削して管を取り出す必要が出てくるため、何十万、あるいは百万円単位で金額が変わってきます。また、敷地が道路より低かったり、距離が長くて勾配が取れない時などは、ポンプアップが必要となりますので、その分費用がかかります。

外構工事

こちらも屋外給排水と同じで、建物、敷地条件で金額が変わります。正面だけの工事でいいのか、両側、裏のブロックやフェンスのやりかえが必要なのか、カーポートの屋根をつけるかつけないか、ゲートはどうするか?等々、はっきり言って金額はピンキリです。また、敷地に高低差があると土留め(どどめ)が必要となり、余分な費用がかかります。仮に土留めが既にあったとしても、コンクリートの上にブロックが乗っているような土留め、いわゆる2段擁壁(ようへき)の場合には建築違反になりますので、やりかえが必要となります。

解体工事

建て替えの場合には解体工事が必要となります。木造→鉄骨→鉄筋コンクリートの順で金額が高くなります。金額は構造による違いのほか、もちろん大きさによっても変わります。そして塀や土留めを壊すかどうか、敷地内の物置やカーポートの屋根等、建物以外に壊さないといけないものが、どれくらいあるかによっても費用が変わります。また昔と違い、今は分別解体といって、建築廃材を種類ごとに分けて解体していきますので、その分、時間と費用がかかっています。そして気をつけなければいけないのが屋根材に含まれているアスベスト。これがあると解体費用がビックリするくらい跳ね上がります。

地盤改良工事

家を建てる前には必ず地盤調査を行います。その調査結果によって、設計士が基礎判定をします。その判定結果次第で地盤補強が必要かどうかが決まります。「お金がないから地盤補強はいらない」という訳にはいきません。必ず必要となります。

必要だった場合は、その分の費用が加算されますが、補強の方法、補強が必要な深さで金額が変わります。建物がが大きいとその分改良工事の範囲が増えますし、建物が重いと改良の方法も変わる可能性があります。例えば木造と鉄筋コンクリートでは建物の重さが違うので、当然、判定結果にも影響されます。

家を建てる前に

付帯工事だけでもこれだけの違いがあります。

家を建てる時には様々な要因で金額が大幅に変わってくる事が、往々にしてあります。一概に「この家はいくらです」と言えないのがこの業界なのです。

特に付帯工事に関しては土地の条件により大きく変わってきますので、注意が必要です。

とはいえ、そういったリスクを極力避ける方法も、もちろんあります。その方法はまた詳しく説明したいと思います。

決める前に、きちんと調べてから決めましょう。

 

 

 

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