台風の被害というと、大雨による土砂崩れ、河川の氾濫、暴風による被害などがあります。今回はその中の、暴風による被害について。
住宅性能評価の項目の中に、耐風等級がりますが、これは耐風等級1と2に分かれています。
耐風等級1は極めて稀に(500年に一度程度)発生する暴風による力に対して倒壊や崩壊等せず、稀に(50年に一度程度)発生する暴風による力に対して損傷を生じない程度とされています。耐風等級2は、1の1.2倍の力になります。
それでは「稀に発生する暴風」とはどのくらいの強さかというと、東京では高さ10mの位置で平均風速30m/秒、瞬間最大風速45m/秒、「極めて稀に発生する暴風」は平均風速約35m/秒、瞬間最大風速は約50m/秒、となります。
2019年に起きた千葉県の暴風被害時の最大瞬間風速は、千葉市で57.5m/秒でした。500年に一度、起こるような台風が昨年、やってきたという訳です。そして今年、2020年に九州にやってきた台風10号は過去最強といわれ、瞬間最大風速80mに達するのではないかと恐れられました。
幸い勢力が弱まり、被害も早めの避難が功を奏し、最小限で済みましたが、それでも長崎県での最大瞬間風速は千葉を超える59.4mでした。
今や500年に一度どころか、毎年のように日本中に暴風が吹き荒れています。最近は台風じゃなくても強風が多くなっているように感じているのは私だけではないはずです。
「家づくり」を考えた時に、耐震性とともに耐風性も考慮すべきなのは明白です。住宅性能評価項目の耐風等級2をとるのはもちろん、建物の被害を最小限に抑えるための方策も必要です。今回、北九州で起きた台風10号が、勢力が落ちずに日本に上陸する可能性だってある訳です。
そうなった時でも困らないよう、万全の準備をしましょう。