品確法の創設
1995年阪神淡路大震災が起きました。未曾有の被害をもたらしたこの震災で、たくさんの方々が亡くなり、またたくさんの住宅が倒壊、焼失してしまいました。その数は10万棟を超え、亡くなられた方の大半は倒壊した建物の下敷きで亡くなる、いわゆる圧死だったと言われています。そしてその建物のほとんどが昭和56年以前の建物、つまり「新耐震基準」になる前に建てられた建物だったと言われています。
しかしながら、「新耐震以降」に建てられた建物でも倒壊したものが少なからずあり、改めて耐震基準の見直しがされることになりました。そして2000年(平成12年)、昭和56年の改正以来となる、大きな改正がありました。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」はこの時にできました。
この法律では
1.住宅性能表示制度の創設
2.瑕疵担保責任の特例
3.住宅にかかる紛争処理体制の整備
の3つが制定されました。
その中の一つ、今回は「住宅性能表示制度の創設」について説明します。
住宅性能表示制度とは
これは法律に基づき、住宅の性能を評価し、表示する法律で、任意で利用することができます。表示項目は10分野に分かれており、
①構造の安定に関すること
②火災時の安全に関すること
③劣化の軽減に関すること
④維持管理・更新への配慮に関すること
⑤温熱環境に関すること
⑥空気環境に関すること
⑦光・視環境に関すること
⑧音環境に関すること
⑨高齢者等への配慮に関すること
⑩防犯に関すること
となっています。それぞれの項目には等級や数値が示されており、等級に関しては数字が大きいほど性能が高くなります。今まで業者任せになっていた設計基準を、国が共通ルールとして定めたものといえます。第三者機関が評価をしますので費用がかかりますが、基本的に不正やごまかしができず、手抜き工事も行われにくくなります。
2種類あり、設計段階で評価をする「設計住宅性能評価書」と、施工中に検査をし、評価する「建設住宅性能評価書」があります。受ける方法としては設計のみと、設計と建設の両方受ける方法(料金が変わります)がありますが、設計通りに施行されているかどうかのチェックがないと意味がありませんので、両方受けるのが基本です。
それぞれの項目はさらに細かく分かれており、それぞれに等級が設けらています。
安心して住むための物差しとなりますので、よく理解した上で利用して頂きたいと思います。