モジュールって何?
私が入社して展示場に配属されてた時に、プランを書く練習をさせられました。まだ住宅の事は何も知らず、初めてプランを書いたのですが、困ったのがトイレやお風呂、キッチンに必要な寸法がそもそも分からないという事でした。もちろん、レイアウトなどはさっぱり分かりません。毎日、家で使っているはずのトイレやお風呂の寸法がいったい何センチあるか、全く考えたことがなかったのです。
その時作ったプランがどんなものだったか、あまり覚えていませんが、先輩社員に大笑いされたことはよく覚えています。長い営業生活の中でもよく覚えていることの一つです。
その後、プラン集を見たり研修を受けたりしながらだんだん覚えていき、プランニングは私にとって得意分野となりました。
ところでモジュールって何かというと、住宅を設計する時の基準となる寸法で、日本で建てる時には尺モジュールという基準で作っていくのが一般的です。1尺は約30.3㎝、6尺では181.18㎝となりますが、この6尺が1間で、日本では昔からこの寸法で住宅を作ってきました。建具(たてぐ)や窓、浴室なども、それに合わせて作られています。ホームセンターに行ってもほとんどの材料はこの基準です。今でも建物や部屋の長さを呼び表す時には2間とか3間半とか使います。
帖(じょう)と坪(つぼ)
こちらは面積を表す単位です。帖は畳1枚分の大きさ(1.82m×0.91m)、坪は畳2枚分(1.82m×1.82m)です。主に建物の大きさを表す時には坪、部屋の大きさを表す時には帖を使います。ただお風呂だけは例外で、1坪サイズとか1.25坪サイズのように坪で表すことが多いですね。
京間と江戸間
京間と江戸間は同じ尺モジュールですが、畳の大きさが違います。
京間は関西地方で使われている単位で、柱〜柱間の寸法が6.5寸(約197㎝)で、関西地方では一般的な寸法です。これ以外に中京間という愛知や岐阜で使われている寸法もあります。サイズ的には京間と江戸間の中間です。
図面表記上は?
図面上はメートル表記になりますので、1間ではなく1.82mといった表記のされ方になります。面積も㎡で表記されます。
時代とともに、日本人の体も大きくなってきました。江戸時代には成人男性の身長が155㎝ほどしかありませんでしたので、江戸間寸法は少々窮屈な感じがします。昨今では高齢化に伴い、バリアフリーにする家が増えましたが、手すりをつけるとトイレや廊下の幅がかなり狭くなってしまいます。
プランニングする上で、十分考慮して建てていただくようお願いします。