地震が来ても安心して家にいられますか?
耐震性の高い建物
以前私は建物の強度を第一に考慮しなければならないと申し上げました。
建物の強度といって真っ先に思いつくのが地震に対する強度、すなわち「耐震性」ではないでしょうか。
「耐震性」以外に何があるかというと、「耐風性」や「耐積雪性」、地盤に対する安全性の確保などがありますが、今回は「耐震性」について。
日本は地震国です。全世界の国土の0.25%しか占めていないこの日本で、世界中で起こっている有感地震(体に感じることができる地震)のうちの10〜15%がこの日本で起きています。M(マグニチュード)6以上の地震に至っては20%以上が日本で起きています。
このような状況下で家を建てるという事は「地震が起きる前提」で家を建てないといけないという事です。
すなわち「耐震設計が大事」だという事です。
私はファイナンシャル・プランナー(FP)という資格を持っていますが、FPの視点からすると、住宅を建てる場合にはまずは無理のない資金計画で家づくりを進めるのが王道であり、セオリーでもあります。当然、年収や貯蓄額から計算して、どうしても予算を削らないといけない場合が出てきます。その場合には「建築費を下げましょう」という事になります。
住宅を知らないFPの先生からすると、予算削減のためローコスト住宅にしましょうと勧めるかもしれませんが、長年住宅に携わってきた身としては、建物の強度、特に「耐震性」をないがしろにする訳にはいきません。
私は平成6年に、当時在籍していた大手の住宅会社で家を建てました。その後、阪神淡路大震災が起き、東日本大震災が発生し、熊本にも大地震が来ました。その度に会社では自社の建物の被害状況を調査するのですが、どの地震でも全壊、半壊は無かったようです。
私は会社の宣伝をするつもりはありません。私がみなさんに伝えたいのは、私はその間、ずっと安心して暮らしていた、という事です。今後、首都直下型地震が来ると言われていますが、私の家と、何より「家族」は守られるだろうという「安心感」があります。これは何事にも代えられません。
耐震性を高めるにはある程度、コストが伴います。ローコスト住宅の全てが悪いとは言いませんが、コストを下げて建物を作るには、何かを犠牲にしなければなりません。その犠牲にされるものの一つが耐震性を上げるための材料であったり施工方法だったりするわけです。
どのような材料、工法で作るのが良いかは、また改めてお話ししたいと思います。きっと建設会社のホームページを見る目が変わると思います。
まずは耐震性のある建物を作りましょう。夢や希望はそれからです。