「楽しい家づくり」の前に
夢のマイホーム
長年、住宅に関わる仕事をしてきて感じることは、「家づくりは楽しい」という事です。
思い立った時にはネットや雑誌で情報を仕入れ、広いリビングやダイニング、機能的で快適なキッチンなどを頭に描いている事でしょう。最近ではそれに書斎が加わっているのではないでしょうか?
具体的になってくると「キッチンはアイランド型がいい」とか「浴室は1坪以上は欲しい」とか、どんどん夢が膨らんできます。膨らむにつれて、元々30坪くらいで考えていたものが、32坪、35坪、38坪と、建物もどんどん大きくなってきます。要望が多ければ多いほど、建物も大きくなります。
建物が大きくなると、同時に予算も膨らみます。「せっかく建てるのだから最新の設備を入れたい」という気持ちも出てきますので、予算は当初よりもどんどん上がっていきます。
そこでみんな考えるのが、「ローコストメーカー」にして建物そのもののコストを下げようとする事。
日本にはたくさんの住宅メーカーがあり、予算に合わせた建物を作ってくれる会社ももちろんあります。でも頼む前にちょっと耳を傾けて下さい。
「家づくり」は本当に楽しいです。「夢のマイホーム」というくらいですから。(ちょっと古い(笑)。)
希望も大事、予算も大事、よく分かります。でもその前に、建物の構造は大丈夫でしょうか?
地震国 日本
ほとんどの方にとって住宅は「今までで一番高い買い物」かと思います。車や家電と違い、「失敗した!」と思ってもおいそれと買い換えはできません。ほとんどの方がローンで建てますしね。
日本は地震国です。いつ大きな地震が来てもおかしくありません。加えて昨今の大災害。文字通り毎年どこかで大きな被害が発生してます。
そんな日本で家を建てるには、相応の強度を持った建物でなければなりません。
「そんなの大丈夫じゃない?メーカーの人も大丈夫って言ってるし」
ところが大丈夫じゃないんです。
家を建てる時にはいくつかのポイントがありますが、一番大切なポイントは建物の「強度」です。これを抜きにして家を建てるのは文字通り自殺行為です。
みなさんにはできるだけ「楽しい家づくり」をして頂きたいと思います。でもその前に、建物の「強度」を考慮して下さい。これを怠ると安心して住む事ができなくなります。
「夢のマイホーム」に住むために。