坪単価って一体、何?
住宅、あるいは土地の価格を表すときに使われる「坪単価(つぼたんか)」。馴染みのある方も多いかと思いますが、聞いた事がない、あるいは聞いた事はあるけどよく分からないという方のために、簡単にご説明したいと思います。
まず坪(つぼ)とは何かというと、日本に昔からある面積を表現する単位で、1坪は約3.3㎡。正方形で表現すると1.82m×1.82mとなります(畳2帖分)。ちなみに1.82mは1間(けん)と表現されます。
一部の例外を除き、日本では今でも「尺貫法(しゃっかんほう)」と呼ばれる日本固有の寸法で家が建てられています。設計図はメートル表記で書かれていますが、その寸法は1.82m(1間)や3.64m(2間)など、尺貫法の寸法をメートル表記で書いているだけです。ですので面積を表現するときには「平方メートル」とともに、「〜坪」という表記も一緒に加えて説明されていることが一般的です。
「坪単価」は住宅(土地も同じ)価格を坪数で割った金額となります。
例えば価格2,000万円、延床面積35坪の建物があったとすると、2,000万円÷35坪≒57万円/坪となります。
価格3,000万円、延床面積55坪であれば54.5万円/坪。住宅会社や不動産会社では日常的に使われている言葉です。
なぜ変わる?「坪単価」
この坪単価、住宅メーカーにとってちょっとだけ面倒なことがあります。
それは同じ仕様の建物でも、大きさや建物形状で「坪単価」が変わってしまうことです。
例えば大きさ。
一般的に住宅にはキッチン、浴室、洗面所、トイレ等、いわゆる「水回り」が一通りついています。この水回り、住宅価格の中でも値が張るものですが、どんなに大きな建物でも、2世帯住宅でない限り、大概ワンセットでついています。もちろん例外はありますが。またドアや窓、室内建具なども、部屋数が同じであれば数も変わりません。そのため大きい建物の場合、値が張る部分が薄まり、坪単価は相対的に安くなり、小さい建物は逆に相対的に高くなるのです。
次に建物形状での坪単価の変化についてですが、これは壁、屋根、基礎の量が変わるため、坪単価も変わるということです。
例えば、10m×10mの建物と、20m×5mの建物があったとします。両方とも同じ100㎡です。10m×10mの建物の場合、外周基礎は10m×4=40m、20m×5mの建物は20×2+5m×2で50m、20m×5mの方が10m長くなります。もちろん基礎だけでなく、壁や屋根なども変わりますので、その分費用が嵩み、坪単価を押し上げる要因となってきます。つまり同じ面積の家でも、正方形に近い建物は安くなり、L字やコの字の建物は金額が高くなるということです。
同じ理由で総2階の方が、一部2階や平家よりも安くなります。屋根や基礎の大きさを抑えられるからです。
建物を極力安く抑えようと考えた場合には、できるだけシンプルな形にするのがベストです。